
人間の記憶というものは、長期記憶と短期記憶というものがあると以前何かの本で読んだが、現在短期記憶と言わないで、作業記憶というそうだ。ちょっと見て覚える力(作業記憶)について、学習場面での指示や発問に対して思いをめぐらせてきたが、少しのヒントになった。作業記憶というのは、限られた量の作業バッファ(覚えるだけの領域)を持っていて、言葉も行動も同じようにその領域に入るそうだ。だから、「机の上のボールを取る。」という指示の中にすでに3つの要素が含まれている。言語だけなら大人で最大7つくらいだそうだが、行動を伴うと大人で3~4つくらいしか覚えられないそうだ。ましてや子どもは2つ~3つ。分かりやすいように丁寧に言ったつもりが、途中で記憶されてないという本末転倒はこうやって起こるものなんだなと思った。
逆に長期記憶というのは、意味記憶というのだそうだ。物事の関連付けを覚えるのであり、つまりリンク構造を記憶するということになる。イメージや言語で捉えた感覚をリンク(意味づけ)するので、実質無限に近い記憶バッファを持つ。人間はこの作業記憶と上手に使い、意味記憶を誘発することで「わかる」のだそうだ。といっても、インターネットの世界と同じようにリンクは時間がたつと途切れる。常に更新しないものは劣化していくというのは、記憶も生きている証なのだろう。